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【台灣同志遊行2017 レポート】前編:どうして台湾のLGBTカルチャーは進んでるのか?...

【台灣同志遊行2017 レポート】前編:どうして台湾のLGBTカルチャーは進んでるのか?

2017年10月28日。
台湾・台北市ではアジア最大と言われるLGBTプライドパレード「台灣同志遊行」が開催されました。
TOW編集部では台湾のLGBTカルチャーの勢いや日本との違いを肌で感じるために、現地へ出向いてきました。
台湾で感じたその熱量と日本との違いを今回は3つに分けて書いていきたいと思います。
長くなりますが、どうぞお付き合いください。

皆さんは、台湾といえばどんな印象をお持ちでしょうか?
私は今回の取材が人生初の台湾でした。
小学5年生から中学卒業まで上海に住んでいたこともあり、私の中の台湾は当時の上海のように「治安が悪い」や「汚い」といったイメージになっていました。
しかし、台湾桃園国際空港へ到着した瞬間、その想像は一瞬で覆りました。
飛行機から降りてすぐの入国審査前に置かれた洗練された「TAIWAN」の文字のオブジェ、近未来的な建築物の数々など、私の台湾のイメージは一変しました。

桃園国際空港

私たちはパレードの前日、日常の風景とパレードを見比べるために台湾の街を歩き回ってみました。
まず、私たちは台湾の中心である台北駅へ向かいました。
台北駅は台湾の新幹線のハブとなる場所であり、中にはお土産屋さんやカフェ、換金所、また、周辺にはたくさんのデパートもありました。
建物は最近できたであろうきれいな建物や建設途中のものが高くそびえ立つ傍ら、古い建築物も残っており、台湾の新旧の文化が交差する場所です。

台北駅

その後は台北の若者たちがよく買い物へ訪れるという「五分埔商圏」へ。
細い路地に並ぶ大量の店舗は、日本のファッションシーンを模倣したものばかり。
歩いている若者たちのファッションを見ても、限りなく日本のストリートに近いものばかりで、日本と台湾の関係性を感じられました。

五分埔商圏

「五分埔商圏」を出てすぐ、突如として景色が変わり、お父さんお母さんたちが今日の料理に使う食材を探すための市場に遭遇しました。
日本のスーパーのようなスタイルではなく、全て屋台で、人混みはまるで休日の竹下通り並み。
歩くのも精一杯な中、たくさんの食材を抱えたお父さんお母さんたちが行き交っていました。
そのギャップは台湾ならではで、人混みを忘れて終始ワクワクしてしまいました。

五分埔商圏

次に私たちは少し都心から外れたところにある、LGBT専門のアダルトショップ店へ訪れてみました。
お店の外装はLGBTカラーをあしらい、ピンクのネオンが目立つものとなっていました。
店内は平日なこともありお客さんは少なめではありましたが比較的カップルのお客さんが多く、真剣に物色していました。
店内は撮影禁止であったため、中の様子をお伝えすることはできないませんが、定番のアダルトグッズに加え、書籍類が多めだったように感じます。
台湾ではレズビアン・ゲイなどそれぞれのセクシャリティに向けた雑誌がたくさんあるようで、そちらもバックナンバーから多数置かれていました。
ふと、日本にそのような雑誌はあるのだろうか調べてみると「Oriijin」という雑誌があることを知りました。
ぜひチェックして見てほしいです。

LGBTショップ

1日の最後は「DOUBLE CHECK」というバーへ飲みに行きました。
台北では有名な“イケてる”バーらしい。
中へ入ろうとすると、そもそもドアがどこかわからない。
よく見てみると壁の少し隙間があり、隠し扉のように入り口があった。”イケてる”
いざ中に入ると、店員さんが焦って呼び止め入り口へ戻された。
なぜ?!と思うと、靴を脱いで上がらないとダメな仕様らしい。”イケてる”
ドリンクを注文してみる。
「メニューはある?」
「ない」
「じゃあ白ワインのオススメをグラスで」
「ない」
「…カクテルは何かある?」
「ない」
「………赤ワインは?」
「OK!」
赤ワインとクラフトビールしかなかった。”イケてる”のかな?
といった具合だったが、DJがかけてくれる音楽もお店の内装、客層、とても素敵なお店でした。

DOUBLE CHECK

さて、私がここまで本題とは違うただの旅行記のような長い冒頭を書いたのには訳があります。
パレードの様子をお伝えする前に、台湾の日常が限りなく日本と近いものだということをお伝えしたかったからなのです。
もちろん日本と全く一緒なわけではないが、日本のカルチャーからものすごく影響を受けている街だということに間違えはないと思う。
ただ、ではなぜLGBTカルチャーは台湾が圧倒的に先進しているのだろうか?
そこには、台湾ならではの歴史やカルチャーから出来上がった国民性がどうやら影響しているようです。

私たちはパレードへ参加する前に台湾在住ブロガーのMaeさん、台湾人で日本にて大学教授をしているクッキーさんといった台湾のLGBTカルチャーへ関心のある二人への取材をしました。
そちらの記事はこちらからお読みください。

Maeさん取材記事

クッキーさん取材記事

お二人のお話から、LGBTプライドパレード「台灣同志遊行」がアジア最大を誇るまでに成長した理由の一片を理解することができました。

お二人ともが言っていたのは、台湾人は討論が好きであるということです。
それは政治のこと、経済のこと、学生運動、LGBT、どの分野であっても、日々議論し合う機会は多いということらしいです。
インターネットの掲示板では、同性婚は法律で認められるべきか否かなどといった討論をLGBTだけでなく、ストレートの人も頻繁に話しているとい
これはとても重要なことだと私は考えています。
当事者からの意見は本当にリアルで真に迫るものであることに間違いはないけれど、やはり世の大半は当事者ではない人です。
当事者の声から出た課題を、当事者以外の人々が知り、課題意識を持ち、自らの意見を述べることは社会にとって重要なことだと思います。

台湾は1987年に言論の自由が可決されました。
それにより、国民が今まで、声を大にして言えなかったことを言う機会を持てるようになったのです。
先ほども述べたように、討論好きな国民性である台湾人達はそれを機に女性運動や学生運動などが頻繁に行われました。
一般の人たちが発言の機会を得たことにより、政治に参加する意欲が増えていったのです。

また、政治家達のLGBTへの課題意識も日本とは比べ物にならないくらい高いそうです。
自分をオープンに出す国民性である台湾人は、LGBTであることを公言し、権利を訴えているので、仮に政治家が同性婚には反対であるという発言をすると、選挙で票が取れないという事態を招きかねないらしいです。
票を取るためにLGBTフレンドリーなふりをする政治家はいかがなものか?という議論は残ってしまうが、世論が大きく影響し、一般国民の発言が通りやすい政治はとてもいいものだと思います。

このように自分の違いをポジティブに捉え、オープンに発言する台湾人であるからこそ、LGBTにとって住みやすい社会ができているのだと思います。

さて、前編では結局パレード自体の話にはたどり着きませんでしたが、後編ではパレードの話を軸にぜひ台湾のLGBTカルチャーについて知ってもらいたいと思います。

後編を読む


TOW magazine 編集長 / ファッションブランドwonder world デザイナー ジェンダーの中間に生きています。 コスメと服を買う時が至福の時。 荷物は減らせないタイプです。

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